A hippocampal-entorhinal network model of hippocampal memory formation with theta phase precession

ラット場所細胞のシータ位相歳差現象の発生機構とその記憶機能への役割を理論モデルとして提出しました。回路としては、シータ位相歳差は海馬の入り口である内嗅野で生成されて海馬に伝搬し、CA3で位相差を持つ衰退細胞の活動が、時間差をもつ発火による非対称なシナプス過疎性(非対称シナプス、STDP)によって時系列の記憶を形成することに関与すると予見しました。

シータ位相歳差発生の機構としては、神経細胞が発火持続履歴に応じてゆっくりと自発振動数を増加させること、そのような神経の集団とシータリズムを刻む集団神経リズムとが非線形振動子として結合して位相固定をもたらすことで、位相関係が安定に維持されるしくみであることを示しました。

記銘:時系列に依存した入力は内嗅野でシータ位相歳差を持つ細胞集団の活動をおこし、その出力が海馬内に伝えられてCA3,CA1の可塑性をもたらします。


想起:海馬内に蓄えられたシナプス結合により、一部の活動が時系列を想起して内嗅野の深層に伝えられることで海馬内の記憶は海馬の外に伝えられます。


資料 Yamaguchi Y, “A Theory of hippocampal memory based on theta phase precession”, Biological Cybernetics, vol.89, pp. 1-9. (2003)


 

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